研修の客観的な評価と仕事の質の関係

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看護師の仕事は人命を預かるものなので、徹底した教育が必要になります。座学だけではなく、実際に医療の現場に出て治療や介助の経験を積むことが、優秀な看護師の育成には不可欠です。看護師を育成には、プリセプターやOJTなど、様々な研修体制があります。
中でもクリニカルラダーは、臨床実践に必要な技能をそれぞれの段階に分け、客観的に提示できる方法として注目されています。同じ研修でも、初めての人と経験がある人では学ぶべき事柄に違いが生じるのが現状です。そこで、看護師の育成を効率的に行うには、目標となる事柄を客観的に示したクリニカルラダーに沿って研修を進める方法が適しています。そのため、現在では多くの医療機関でクリニカルラダーを取り入れています。

クリニカルラダーに沿った研修は評価項目を可視化しやすく、具体的な目標を立てやすいのが利点です。習得技能をマニュアル化することによって、看護師としての仕事の質を安定させ、個人差が生じるのを防ぐ効果があります。また、直接的な医療行為だけではなく、看護師同士の連携や患者の状態の変化を見逃さない観察力を重視する項目もあるので、医療の現場に必要な人材の見極めにも便利です。
その一方で、クリニカルラダーは医療機関ごとに独自の基準で作られていることから、すべての医療機関の研修内容が同じというわけではありません。また、クリニカルラダーはあくまで看護師としての基礎的な技能の習得目標を可視化したものなので、実際の仕事の評価とは直結しないことも併せて理解しておきましょう。